60代の求人の探し方|ハローワーク・求人サイト・シルバー人材センターの使い分け

公共施設でノートパソコンを使い、求人情報を調べている60代の男性 転職活動
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60代になって仕事を探そうとしたとき、最初に迷うのは「どこで探すか」だと思います。転職サイトなのか、ハローワークなのか。それとも、別の窓口があるのか。

このブログでは、65歳で再雇用が終わった後の話と、転職活動の順序の話で、求人の探し方については「別の記事で」と先送りにしてきました。この記事は、その先送りに応えるものです。

私は以前、求人を出す側にいたことがあります。だからこの記事では、探す場所を並べる前に、「求人は、どこに出されるのか」という出す側の事情から始めます。求人がどこに集まるかが分かると、どこを探せばいいかは、自然に決まってくるからです。

60代の求人はどこにあるか|探す場所の全体地図

まず、60代が求人を探せる場所を一覧にします。

探す場所 費用 向く人 向く働き方
ハローワーク 無料 地元で、長く働ける仕事を探したい人 正社員・契約社員・パート
産業雇用安定センター(キャリア人材バンク) 無料 60歳以上で、経験を活かせる職場を探したい在職者・離職1年以内の人 1年以上の雇用
シルバー人材センター 入会金・年会費あり 年金に少し足す程度の収入でよい人 短時間・短期の仕事
求人サイト 無料 広い範囲から、条件で絞って探したい人 正社員からパートまで幅広い
転職エージェント 無料(企業が費用を負担) 経験が直接活きる職種を、相談しながら探したい人 正社員・契約社員
紹介・縁故 なし 前の職場や取引先など、人のつながりがある人 さまざま

実際に60代が使っている場所を、数字で見ておきます。厚生労働省の「転職者実態調査」(令和7年)で転職活動の方法を見ると、全体では「求人サイト・求人情報専門誌・新聞・チラシ等」が45.1%、「ハローワーク等の公的機関」が29.6%ですが、60〜64歳ではハローワークが39.0%、求人サイト等が38.2%と、ほぼ並びます。65歳以上になると、「縁故(知人、友人等)」が37.6%で最も多くなり、ハローワークが31.7%、求人サイト等は25.6%に下がります。

つまり60代前半は、ハローワークと求人サイトの二本立て。65歳を過ぎると、人のつながりの比重が大きくなる。この数字が、この記事の土台です。

求人を出す側は、なぜハローワークに出すのか

探す側の話に入る前に、出す側の話をします。

私が求人を出したのは、ハローワークでした。理由は単純で、求人サイトは掲載料が高かったからです。ハローワークへの求人の申込みは無料で、申し込んだ求人は全国のハローワークと、ハローワークインターネットサービスで公開されます(各ハローワークの事業主向け案内に明記されています)。

この「出す側は費用で場所を選ぶ」という事情は、探す側にとって大事な情報です。採用に大きな予算をかけられる会社は、求人サイトに出します。一方、地元の中小企業や、採用の頻度が高くない職場は、無料のハローワークに出します。60代の求人がハローワークに多いのは、60代を歓迎しているからというより、60代が働きやすい規模の職場が、ハローワークを使っているからだと思います。

そして、ハローワークに出した求人には、実際に60代の方からの応募がありました。「60代の自分に応募できる求人はあるのか」と心配される方は多いと思いますが、少なくとも出す側から見ると、60代の応募は珍しいものではありませんでした。

だから、地元で働きたいなら、まず見る場所はハローワークです。

ハローワークの使い方

ハローワークは「窓口に行って紙の求人票をめくる場所」というイメージがあるかもしれません。今は、自宅から使えます。

自宅から「見るだけ」

ハローワークインターネットサービスでは、求人の検索が登録なしでできます。在職中の転職活動の記事で書いた「見るだけ」は、ここでもできます。地域・職種・雇用形態で絞って、どんな求人がどのくらいあるかを眺める。それだけで、自分の条件と求人の相場の距離が見えてきます。

求職登録とオンライン応募の注意点

応募まで進むなら、求職登録をして「求職者マイページ」を開設します。マイページからは、ハローワークの職業紹介を受けてオンラインで応募する「オンラインハローワーク紹介」と、自分で探した求人にハローワークを介さず応募する「オンライン自主応募」の2つができます。

ここに、ひとつ注意点があります。オンライン自主応募は、ハローワークによる職業紹介に当たりません。そのため、ハローワークの職業紹介を要件とする雇用保険の再就職手当などの対象外になります(厚生労働省「求職者マイページ」のリーフレットに明記されています)。雇用保険の給付を受けながら仕事を探している方は、自主応募の前に、窓口で紹介を受ける形にしたほうがよい場合があります。応募する前に、窓口で確認してください。

もうひとつ。オンラインで求職登録しただけでは、窓口での専門的な支援は受けられません。マイページの全機能を使うには、ハローワークの窓口で利用登録が必要です。「見るだけ」の段階ではオンライン登録で足りますが、相談もしたいなら、一度は窓口に行くことになります。

60歳以上向けの専門窓口「生涯現役支援窓口」

ハローワークには、概ね60歳以上の方を対象にした「生涯現役支援窓口」があります。厚生労働省の資料によると、全国の主要なハローワーク300か所に設けられ、65歳以上の方を重点的に支援しています。シニア世代の採用に意欲的な企業の求人開拓、シルバー人材センターなど関係機関の案内、応募書類の書き方や面接のガイダンスなどを行っています。

窓口の名称が違うハローワークもありますが、「生涯現役支援窓口」と言えば通じます。どのハローワークにあるかは、厚生労働省のサイトに一覧があります。一般の窓口で相談するより、60代向けの求人がまとまって見られるので、最初に行く窓口として覚えておいてください。

ハローワーク以外の公的な窓口

ハローワーク以外にも、無料か、それに近い費用で使える公的な窓口が2つあります。

産業雇用安定センターの「キャリア人材バンク」

産業雇用安定センターは、国と経済・産業団体の協力で設立された公益財団法人です。ここに、60歳以上の方を対象にした「キャリア人材バンク」があります。登録できるのは、申込み時の年齢が60歳から70歳までで、在職中の方、または離職後1年以内の方です。費用はかかりません。

専任の担当者が、経験を活かせる求人とのマッチングをしてくれる仕組みで、66歳以降も働き続けられることを条件にした求人を集めています。ハローワークと違って、「経験を活かす」ことを前面に出した窓口なので、同じ職種で長く働いてきた方には、こちらのほうが合うことがあります。全国47都道府県に地方事務所があります。

在職中でも登録できるので、65歳の満了を前に動き始める方は、ハローワークと並べて見ておいてください。

シルバー人材センター

シルバー人材センターは、65歳で再雇用が終わった後の記事でも触れました。会員制で、入会は概ね60歳以上、仕事の対価は「配分金」として支払われる、というところまでは、その記事に書いたとおりです。

ここでは、一歩だけ先を書きます。シルバー人材センターが扱うのは、全国シルバー人材センター事業協会の資料によると、「臨時的かつ短期的な仕事(おおむね月10日程度以内)」または「軽易な仕事(おおむね週20時間を超えないことを目安)」です。つまり、フルタイムの仕事はありません。生活費の柱にする場所ではなく、年金に少し足す働き方の場所です。

もうひとつ。配分金が支払われるのは請負・委任の仕事で、派遣や職業紹介の形で働いた場合は賃金になります。契約の形で、社会保険や労災の扱いが変わります。入会のときに、センターで確認してください。

パート・アルバイトに絞った探し方と応募のコツは、60代のパート・アルバイトの探し方にまとめています。

求人サイト・エージェント・紹介

公的な窓口以外の場所も、使い方を押さえておきます。ただ、正直にお断りしておくと、私は求人サイトやエージェントを自分で使ったことはありません。ここに書くのは、仕組みと、出す側から見た位置づけです。

求人サイト

求人サイトは、出す側が掲載料を払って求人を載せる場所です。先に書いたとおり、採用に予算をかけられる会社の求人が集まります。60代が見るときは、「シニア歓迎」「60代活躍中」といった絞り込みを使うと、対象外の求人をふるい落とせます。ただ、その絞り込みに頼りすぎると、歓迎とは書いていなくても応募できる求人を見落とします。地域と職種で絞った上で、年齢の条件は求人票の中で確かめるほうが確実です。

転職エージェント

転職エージェントは、企業から紹介手数料を受け取る仕組みなので、求職者は無料で使えます。転職活動の順序の記事で、エージェントへの相談は「準備が整ってから」と書きました。その考えは変わっていません。棚卸しも書類もない状態で相談に行っても、相手も助言のしようがないからです。

数字も見ておきます。先ほどの転職者実態調査で「民間の職業紹介機関」を使った人は、55〜59歳では19.6%ですが、60〜64歳では8.6%に下がります。エージェントが60代に向かないという意味ではなく、60代で実際に使っている人は多くない、ということです。経験が直接活きる職種で、正社員や契約社員の仕事を探す方には選択肢になりますが、「まずエージェント」ではなく、「ハローワークと求人サイトを見た上で、必要なら」の順番だと思います。

紹介・縁故

65歳以上では、縁故が37.6%で最も多い探し方でした。前の職場、取引先、同業の知人。60代になると、求人票に出る前の仕事が、人を通じて回ってくることがあります。

ただ、紹介は自分で動いて作れるものではありません。できるのは、「仕事を探している」と周りに言っておくことと、声がかかったときに動ける状態にしておくことです。スキルの棚卸しをして、自分が何をできるかを短く言えるようにしておくのは、紹介で仕事が来たときにも効きます。

どの経路でも、採用側が見ることは同じ

ここまで探す場所を分けて書いてきましたが、最後に、どの経路で応募しても変わらないことを書いておきます。

求人を出す側として60代の方の応募を受けたとき、経路がハローワークだったか、紹介だったかで、見方を変えることはありませんでした。見ていたのは、65歳で再雇用が終わった後の記事の「採用側から見た、65歳前後の人」の節に書いたとおり、前の職場の立場が抜けているか、指示を受ける側に回れるか、という点です。管理職だった方の応募では、そこがいちばんの心配でした。

経路を選ぶことに時間をかけるより、書類と面接でこの心配に先回りして答えることのほうが、採否には効きます。書き方は60代の志望動機の記事と、履歴書の記事の「肩書を並べすぎる」の節に書きました。

状況別の組み合わせ方

探す場所は、ひとつに絞るものではありません。状況ごとに、主に使う場所と、補助に使う場所を組み合わせます。

状況 主に使う場所 補助に使う場所
在職中に、焦らず探す ハローワークインターネットサービス・求人サイトで「見るだけ」 キャリア人材バンクへの登録(在職中から可)
65歳の契約満了が近い ハローワーク(生涯現役支援窓口)・キャリア人材バンク 求人サイト・周りへの声かけ
年金に少し足したい シルバー人材センター ハローワークの短時間求人
経験が直接活きる職種で探す キャリア人材バンク・転職エージェント ハローワーク・求人サイト

どの組み合わせでも、ハローワークは外れません。無料で、地元の求人が集まり、60歳以上向けの窓口がある。まずここを見て、足りない分を他で補う、という順番で考えると迷いにくいと思います。

働き方そのものをどう選ぶか(再雇用・転職・独立・副業)については、働き方の選択肢の記事に書きました。探す場所を決める前に、どんな働き方をしたいかが定まっていない方は、そちらを先に読んでいただくと、この記事の表が使いやすくなります。

まとめ

  • 60〜64歳の転職活動の方法は、ハローワークと求人サイトがほぼ並ぶ。65歳以上では縁故が最も多い
  • 求人を出す側は、費用で場所を選ぶ。無料のハローワークには、地元の中小企業の求人が集まる。60代の応募も珍しくない
  • ハローワークは自宅から「見るだけ」ができる。オンライン自主応募は職業紹介に当たらず、再就職手当などの対象外になるので注意
  • 60歳以上向けの「生涯現役支援窓口」が主要なハローワーク300か所にある。最初に行く窓口はここ
  • ハローワーク以外の公的な窓口として、産業雇用安定センターの「キャリア人材バンク」(60〜70歳・無料)と、シルバー人材センター(短時間・短期の仕事)がある
  • どの経路で応募しても、採用側が見るのは「指示を受ける側に回れるか」。経路選びより、書類と面接の準備に時間をかける

応募まで進んだときの面接については、60代の転職面接の記事も参考にしてください。

注意:本記事は私の個人的な経験と、一般的な情報をもとに書いています。各窓口の制度や取り扱いは変わることがあり、地域や個人の状況によっても異なります。実際に利用するときは、ハローワークや各センターの窓口で、最新の扱いを確認してください。

どんな仕事があるかを知りたいときの1冊

探す場所が決まったら、次は「どんな仕事があるか」です。坂本貴志さんの『月10万円稼いで豊かに暮らす 定年後の仕事図鑑』(ダイヤモンド社)は、事務・警備・運転・販売・介護など分野ごとに定年後に向いた仕事を紹介した本で、仕事ごとにデータと実際に働いている人の話が載っています。

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出典

  • 厚生労働省「令和7年 転職者実態調査」個人調査・表12「転職活動の方法別転職者割合」(2026年9月公表)
  • 厚生労働省「生涯現役支援窓口事業」(令和7年度行政事業レビュー資料)/「生涯現役支援窓口を開設しているハローワーク一覧」
  • 厚生労働省「求職者マイページ」リーフレット(オンライン自主応募の注意点)
  • 公益財団法人産業雇用安定センター「キャリア人材バンク」(個人登録の要件)
  • 公益社団法人全国シルバー人材センター事業協会「シルバー人材センター事業の概要」

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