60代のパート・アルバイトの探し方|求人の見つけ方と応募のコツ、年金・社会保険の注意点

売店のカウンターの中で、手を動かしながら働く60代の女性 転職活動
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定年後の働き方として、正社員や再雇用ではなく、パート・アルバイトを選ぶ人は多くいます。週に数日、短い時間で働けば、年金と合わせて生活の見通しが立ち、体力にも余裕が残ります。

ただ、60代でパートを探すと、若い頃とは違う壁に当たります。「シニア歓迎」と書いてあっても実際には採られにくい求人があったり、年金や社会保険との兼ね合いで働き方を調整する必要が出てきたりします。

この記事では、60代でパート・アルバイトを探すときに、最初に決めておくこと、求人を探す場所の使い分け、60代を採っている求人の見分け方、応募と面接のコツ、年金・社会保険で気をつけることを順に整理します。

最初に決めておく3つのこと

求人を見る前に、自分の条件を決めておきます。ここが決まっていないと、求人を見ても「良いのか悪いのか」が判断できません。

週に何日・1日何時間働くか

パートの求人は、勤務日数と時間で絞り込むのが基本です。「週3日・1日5時間」のように具体的に決めておくと、求人の検索条件に入れられます。

60代の場合、最初から週5日のフルタイムに近い働き方を選ぶと、体力的に続かないことがあります。まずは週2〜3日から始めて、続けられそうなら増やすほうが、長く働けます。

月にいくら必要か

パートの収入は、時給×時間×日数でおおよそ計算できます。たとえば時給1,100円で1日5時間・週3日なら、月に約66,000円です。年金と合わせて、生活に必要な額に届くかを先に確かめておきます。

収入の目安を決めておくと、後で説明する年金・社会保険の線引き(扶養の範囲や社会保険の加入条件)にも関わってきます。

通える範囲はどこまでか

通勤時間は、若い頃より短めに見ておくのが安全です。片道30分以内、できれば自転車や徒歩で通える範囲に絞ると、天候や体調が悪い日にも続けやすくなります。

求人を探す場所の使い分け

60代のパート求人は、探す場所によって出てくる仕事の種類が違います。

ハローワーク

地元の求人が多く、パート・短時間の求人も豊富です。窓口で「60代で、週3日程度のパートを探している」と伝えれば、条件に合う求人を一緒に探してくれます。生涯現役支援窓口を置いているハローワークもあり、60代以上の求職者を専門に担当しています。

求人サイトのパート検索

大手の求人サイトには、パート・アルバイト専用の検索があります。「シニア歓迎」「60代活躍中」などの条件で絞り込めるので、60代を採っている求人を効率よく探せます。ただし、条件のつけ方に注意が必要です(次の節で説明します)。

シルバー人材センター

市区町村ごとにあるシルバー人材センターは、60歳以上の会員に、短期・短時間の仕事を紹介しています。清掃・施設管理・駐輪場の整理・簡単な事務などが中心で、「毎日は働きたくないが、少し働きたい」という人に向いています。収入は月数万円程度が目安で、雇用ではなく請負・委任の形が多い点は知っておいてください。

近所の貼り紙・知人の紹介

スーパーや飲食店の「スタッフ募集」の貼り紙、知人からの紹介も、60代のパートでは有力な経路です。貼り紙の求人は、店の雰囲気を見てから応募できるのが利点です。紹介は、採用側が「人となりが分かっている」ので通りやすい傾向があります。

ハローワーク・求人サイト・シルバー人材センターの使い分けは、求人の探し方の記事でくわしく整理しています。

60代を採っている求人の見分け方

求人票には年齢が書かれていないことが多いので、別の情報から「60代を採る気があるか」を読み取ります。

「シニア歓迎」「年齢不問」の読み方

「シニア歓迎」「60代活躍中」と書かれている求人は、実際に60代が働いている職場です。一方「年齢不問」は、法律上年齢制限を書けないだけで、実際には若い人を想定している場合もあります。「年齢不問」だけの求人は、勤務時間帯と仕事内容で判断します。

勤務時間帯で判断する

早朝(開店前の品出し・清掃)や平日の日中は、学生や子育て中の人が入りにくい時間帯です。この時間帯の求人は、60代を採る可能性が高くなります。逆に、夕方から夜の求人は学生が多く、60代は通りにくい傾向があります。

仕事内容で判断する

立ち仕事が長い・重い物を運ぶ・スピードを求められる仕事は、採用側が体力面を気にします。事務の補助・受付・軽作業・施設の管理・送迎など、経験と落ち着きが活きる仕事は、60代が採られやすい分野です。

応募前に電話で聞いてよいこと

応募する前に「60代ですが、応募できますか」と電話で聞くのは、まったく問題ありません。採用側も、年齢で断るなら早いほうが助かります。ここで前向きな返事なら、応募書類を送る価値があります。

応募書類と面接のコツ

パートの応募でも、履歴書は必要です。職務経歴書は求められないことが多いですが、職歴欄の書き方は押さえておきます。

履歴書は「パートに応募する」前提で書く

60代の履歴書で迷うのは、長い職歴をどう書くかです。パート応募では、職歴をすべて書く必要はありません。応募先の仕事に関係する経験を中心に、短くまとめます。定年退職・再雇用の書き方、パート応募の場合の記入例は、履歴書の記事にまとめています。

志望動機は「なぜこの仕事か」を短く

パートの志望動機は、長く書く必要はありません。「家から近い」「この時間帯なら働ける」といった現実的な理由を、正直に書いて構いません。そのうえで「これまでの経験がこう活かせる」を一言添えます。パートに応募する場合の例文は、志望動機の記事にあります。

面接で採用側が見ていること

私は職場で、定年後に採用された人を何人も見てきました。その中で、採用側が気にするのは「経験が足りるか」ではなく「職場の指示で動けるか」です。

とくに、現役時代に管理職だった人には注意が必要です。管理職の気分が抜けず、年下の上司に反抗したり、頼まれてもいない指示を周りに出したりする人がいました。そういう人が何人か集まると、職場の空気が乱れます。採用側はこの経験があるので、面接で「この人は指示を素直に受けられるか」を見ています。

面接では、「教えていただきながら覚えます」「若い方の指示で動くことに抵抗はありません」と、言葉で伝えてください。実際にそう思っていることが大切ですが、言葉にしないと採用側には伝わりません。

面接でよく聞かれる質問への答え方と例文は、60代の面接の答え方と例文で整理しています。

年金・社会保険で気をつけること

60代のパートは、年金と社会保険の線引きが収入に関わります。制度は変わることがあるので、最新の条件は確認先で確かめてください。

働きながら年金を受け取る場合

65歳以降に年金を受け取りながら働く場合、パートの収入が一定額を超えると、年金の一部が支給停止になることがあります(在職老齢年金)。ただし、停止になるのは厚生年金に加入して働く場合で、基準となる額も比較的高いため、週3日程度のパートで引っかかることは多くありません。くわしくはこちらの記事にまとめています。

社会保険(厚生年金・健康保険)の加入条件

パートでも、勤務時間や収入が一定の条件を超えると、厚生年金と健康保険に加入することになります。加入すると保険料が引かれる代わりに、将来の年金が少し増えます。「扶養の範囲内で働きたい」「加入して年金を増やしたい」のどちらが自分に合うかは、収入の目安と合わせて決めます。加入条件の金額や勤務時間は改正されるので、応募先かハローワークで確認してください。

失業給付との関係

定年退職や再雇用の終了後に雇用保険の給付を受けている間は、パートで働くと給付が減額・停止になる場合があります。パートを始める前に、ハローワークに申告してください。申告しないまま働くと、不正受給になることがあります。

65歳以上の失業保険(高年齢求職者給付金)の仕組みは、65歳以上の失業保険で整理しています。

まとめ

60代でパート・アルバイトを探すときの要点です。

  • 最初に、週何日・何時間・月いくら・どこまで通えるかを決める
  • 探す場所はハローワーク・求人サイト・シルバー人材センター・貼り紙や紹介。それぞれ出てくる仕事が違う
  • 「シニア歓迎」は本当に60代がいる職場。「年齢不問」だけなら勤務時間帯と仕事内容で判断する
  • 履歴書は応募先に関係する経験を中心に短く。面接では「指示で動ける」ことを言葉で伝える
  • 年金・社会保険・失業給付の線引きは、ハローワークや年金事務所で確認してから働き方を決める

パートは、正社員や再雇用より自由がきく分、自分で条件を決めておかないと流されやすい働き方です。最初の3つ(日数・収入・通勤範囲)を決めてから、求人を見始めてください。

パートで働く仕事の中身を知りたいときの1冊

探す場所と条件が決まったら、次は「どんな仕事があるか」です。坂本貴志さんの『月10万円稼いで豊かに暮らす 定年後の仕事図鑑』(ダイヤモンド社)は、事務・警備・運転・販売・介護など分野ごとに定年後に向いた仕事を紹介した本で、仕事ごとにデータと実際に働いている人の話が載っています。

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