60代の面接の答え方と例文|定年後・再雇用・パートで聞かれる質問別

面接で質問に答えている60代の男性 転職活動
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60代の面接で何を聞かれるのか、面接官がなぜそれを聞くのかは、60代の転職面接、何を聞かれる?で、採用する側に座ってきた経験から整理しました。

この記事はその続きです。聞かれると分かっていても、いざ口に出すとなると言葉が出てこない。そういう人のために、質問ごとに「答え方の考え方」と「そのまま使える例文」を並べました。定年退職後に別の会社へ応募する場合、再雇用の途中で他社へ移る場合、パートに応募する場合で言い方が変わるところは、例文を分けています。

志望動機そのものの組み立ては60代の志望動機の書き方と例文、履歴書と職務経歴書は60代の履歴書の書き方と60代の職務経歴書の書き方とテンプレートにあります。この記事は、面接の場での答え方に絞ります。

答え方の基本は3つだけ

質問ごとの例文に入る前に、どの質問にも共通する答え方の基本を3つ押さえておきます。

前の職場を悪く言わない。 辞めた理由や今の職場の不満を聞かれても、前の職場や上司への不満は口にしません。この職場でも同じことを言う人だと受け取られます。理由は一つに絞ります。

この職場では自分は新人だ、と言葉にする。 60代の採用でいちばん警戒されているのは、前の職場での立場を持ち込む人です。「指示を受ける側に立つ」ことを、言葉で伝えます。

正直に、具体的に。 体調も条件も、隠すとあとで困ります。「大丈夫です」「元気です」だけでは判断材料になりません。勤務日数や時間にどう関わるかの形で伝えます。

この3つが入っていれば、以下の質問のどれを聞かれても大きく外しません。

質問別の答え方と例文

1. なぜ今、転職しようと思ったのですか

面接官は、働く意欲が続いているか、動機がはっきりしているかを見ています。定年退職から間が空いている場合は、その間に何をしていたかもここで聞かれます。

答え方の考え方: 理由は短く一つ。ブランクがあるなら、何をしていたかを正直に話し、「今は働ける状態にある」ことを最後に添えます。親の介護、自分の療養、少し休みたかった。どれも60代ではよくあることで、面接官は驚きません。大事なのは、その理由が今は解消していると伝わることです。

例文(定年退職後・ブランクあり):
「定年退職後、1年ほどは母の介護をしていました。昨年、施設に入所して落ち着きましたので、また働きたいと考えて仕事を探し始めました。」

例文(パート応募):
「退職後は半年ほど家にいましたが、生活のリズムが崩れるのを感じて、週に何日かは外で働くほうが自分に合っていると思い、応募しました。」

2. 定年まで勤め上げず(再雇用を続けず)、なぜ転職するのですか

前の職場で何か問題があった人ではないか、という確認です。再雇用の制度があるのに使わなかった、あるいは再雇用の途中でやめた、という場合は必ず聞かれます。

答え方の考え方: 「再雇用の条件が合わなかった」「別の環境で働いてみたかった」「通勤が負担になった」など、理由は何でも構いません。複数並べると言い訳に聞こえるので一つに絞ります。再雇用の途中でやめた場合は、契約の区切りで辞めたこと、引き継ぎを済ませたことを一言添えると、辞め方に問題がなかったことが伝わります。

例文(定年退職後に別の会社へ):
「前の会社にも再雇用の制度はありましたが、同じ部署で同じ仕事を続ける形になると聞いていました。定年を区切りに、これまでの事務の経験を別の環境で活かしてみたいと考え、応募しました。」

例文(再雇用中から他社へ):
「再雇用で2年間働きましたが、契約が1年ごとの更新で、勤務日数も年々減る見込みでした。もう少し安定して働ける場所を探したいと考え、今年度の契約の区切りで退職しました。引き継ぎは3月までに済ませています。」

3. どんな貢献ができますか/なぜこの仕事ですか

面接官が知りたいのは「この会社のどこに惹かれたか」ではなく、「うちの仕事の中身を分かったうえで来ているか」です。求人の条件だけを見て応募し、仕事の内容をよく分かっていない人は意外と多く、入ってから「こんな仕事とは思わなかった」となるとお互いに困ります。

答え方の考え方: 会社をほめる必要はありません。求人に書かれていた仕事内容のどこが自分の経験と合うのか、未経験ならやれると考えた根拠は何か、を具体的に言えれば十分です。「自宅から近い」「勤務日数が合う」といった条件面の理由も隠す必要はありません。条件の話を一つ入れたうえで、仕事の中身の話を一つ添える、くらいの組み立てが自然です。

例文(経験のある仕事):
「求人に、受付と電話対応、簡単な書類の整理とありました。前の職場で総務として来客と電話の対応を長く担当していましたので、同じような仕事であれば、すぐに慣れると考えて応募しました。」

例文(未経験の仕事・パート):
「倉庫での仕分けの仕事は未経験ですが、求人に『シニアの方も活躍中』『研修あり』とありましたので、教えていただければできると考えました。自宅から自転車で通える距離で、週3日という勤務日数も希望に合っています。」

4. 給与が下がっても大丈夫ですか

前の会社の給与より下がることを本人が分かっているか、納得して応募しているか、の確認です。入ってから「話が違う」と言われることを、採用側は避けたいと思っています。

答え方の考え方: 求人の条件を見て納得していることを、はっきり伝えます。「前の会社では…」と前の給与の話をする必要はありません。希望の条件があるなら、面接の場で正直に伝えておくほうが、あとで揉めません。譲れないものと相談できるものを、面接の前に分けておきます。

例文:
「求人に書かれていた条件で応募していますので、問題ありません。前の会社とは仕事の内容も立場も違いますので、同じ給与でないことは分かっています。」

例文(希望がある場合):
「条件は求人のとおりで構いません。一つだけ、通院の都合で平日に月1回休みをいただければと思っています。それ以外は相談のうえで合わせます。」

5. 年下の上司や、新しいやり方に合わせられますか

60代の面接で、面接官が本気で確かめている質問です。定年後に採用した人の中には、前の職場の管理職の気分が抜けず、年下の上司の指示に反発したり、逆に周りに指示を出し始めたりする人が実際にいて、そういう人が一人いるだけで若い人が萎縮します。

答え方の考え方: 「大丈夫です」だけでは足りません。自分が新人であることを言葉にすること、前の職場での立場は置いて来ていることを伝えること、この2つが入っていれば伝わります。避けたいのは「若い人に私の経験を教えてあげたい」「指導役として役に立てる」という言い方です。本人は善意でも、管理職気分が抜けていない人に聞こえます。

例文(管理職の経験がある場合):
「この職場では私は新人ですので、年齢に関係なく、上司や先輩の指示に従って仕事を覚えるつもりでいます。前の会社では部下を持つ立場でしたが、それはあくまで前の会社での話です。分からないことは若い方にも素直に聞きたいと思っています。」

例文(管理職の経験がない場合):
「年下の方が上司になることは、前の職場でも経験がありますので、抵抗はありません。教えていただいたことを、きちんとやっていきたいと思います。」

6. 体力や健康面は大丈夫ですか

急に休まれると仕事が回らなくなる職場では、採用側は正直なところ体調面を気にしています。ただ、健康状態を細かく聞くことはプライバシーに関わるので、このくらいの聞き方になります。知りたいのは病歴ではなく、「募集している勤務日数と時間を無理なくこなせるか」です。

答え方の考え方: 正直に、ただし具体的に。普段から体を動かしているならその内容を一言。通院があって勤務に影響するなら、「月に1回、平日の午前中」のように勤務にどう関わるかの形で伝えます。立ち仕事や重いものを運ぶ仕事で無理だと思う部分があるなら、面接の場で正直に言ったほうがお互いのためになります。

例文:
「健康診断で特に指摘はなく、通院もしていません。週3日・1日6時間の勤務であれば、体力的に問題ないと考えています。普段から毎朝30分ほど歩く習慣があります。」

例文(通院がある場合):
「持病はありますが、薬で安定しており、勤務に支障はありません。月に1回、平日の午前中に通院があるので、その日はシフトで配慮いただけると助かります。」

当日までに準備しておくこと

書類と話す内容を合わせる

面接官は手元の履歴書と職務経歴書を見ながら質問します。書類に書いた退職理由と面接で話す理由が違うと、それだけで信用が落ちます。面接の前に、自分が書いた内容をもう一度読み返しておきます。

「どのくらい働くつもりか」を決めておく

「何歳まで働くつもりですか」と直接聞かれることは少なくなっていますが、「どのくらいの期間、続けていただけそうですか」という形で期間を確かめる質問はよくあります。自分の中で答えを決めておかないと、その場で言いよどみます。「少なくとも3年は」「体力が続く限り、できれば70歳くらいまで」など、希望を言葉にしておきましょう。勤め先に65歳以降も働ける制度があるかは、65歳で再雇用終了、その後は?で整理しています。

答えにくい質問を先に洗い出す

上の6つのうち、自分が答えにくいものはどれか。退職理由が言いにくい、ブランクが長い、健康面に不安がある。答えにくい質問ほど面接官は聞いてきます。事前に自分の言葉で答えを作っておけば、当日あわてることはありません。

希望の条件を整理しておく

勤務日数、時間帯、給与、通勤方法。譲れないものと相談できるものを分けておきます。再雇用中の転職や60代のパート・アルバイトの探し方でも触れていますが、60代の仕事探しでは条件の整理が結果を左右します。

まとめ

60代の面接の答え方は、基本3つに尽きます。

  • 前の職場を悪く言わず、理由は一つに絞る
  • この職場では自分は新人である、と言葉にする
  • 体調も条件も、正直に、具体的に

例文はそのまま使うのではなく、自分の経歴と応募先の仕事に合わせて言い換えてください。面接官がそれぞれの質問をなぜ聞くのかは、60代の転職面接、何を聞かれる?にまとめています。

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