再雇用の給与は激減する?60代前半・現役会社員が手取りを公開

再雇用

「再雇用になったら、給与はどのくらい下がるのだろう?」

定年が見えてくる年齢になると、誰もが一度は考えることだと思います。私自身、再雇用を迎える前は、頭の中で何度もシミュレーションを繰り返しました。

実は私は、現役時代に人事業務にも携わっていた経験があります。そのため、再雇用の制度や給与の減額幅については、業務上ある程度の知識を持っていました。先輩方の実例も見てきましたので、「自分の場合はこのくらいだろう」という予想も、ある程度はついていたつもりでした。

それでも、いざ実際に自分の身に起きてみると、予想通りだった部分と、確認不足で驚いた部分の両方があったのです。

本記事では、60代前半・現役会社員の私が、実際に経験した再雇用後の給与変化を正直にお伝えします。さらに、人事業務の経験者として、これから再雇用を迎える方に「ここは確認しておいてほしい」「ここに気をつけてほしい」というポイントもお伝えします。

これから再雇用を迎える方、再雇用と転職で迷っている方の参考になれば幸いです。


  1. 再雇用になると給与はどのくらい下がるのか
  2. 私の給与公開|月給は半分以下になりました
    1. 再雇用前:月給は50万円台以上
    2. 再雇用後:月給は半分以下に
    3. 手取りも同じ割合で減少
  3. 私の不注意で驚いた、ボーナスの減少幅
    1. 「給与減と同じくらいだろう」と勝手に思い込んでいた
    2. これは会社が悪いわけではない|私の確認不足
    3. 同じ失敗をしないために|読者の方への提案
  4. 業務内容も大きく変わった|でも、それには理由がある
    1. 事務・管理職から、接客・販売系の業務へ
    2. 「全く違う業務にされる」のは会社の方針ではない
    3. 私の場合は、過去の接客経験が活きた
    4. 人事経験者として伝えたい大切なこと
  5. もう一つ、人事経験者として知っていてよかったこと
    1. 「嫌われるシニア」になってしまう典型パターン
    2. 私が意識した3つのこと
      1. 1. とにかく腰を低くする
      2. 2. 新たな上司に敬意を表する
      3. 3. 周りとの人間関係を丁寧に築く
    3. 結果として、仕事は順調に進んでいる
  6. 予想していたから慌てなかった|でも、もっと早く準備すればよかった
    1. でも「もっと早く準備すればよかった」とも思う
      1. 1. 貯金・資産面の備え
      2. 2. 「何ができる人か」の意識的な強化
  7. 再雇用と転職、迷っているあなたへ
    1. 「現実を知ったうえで選ぶ」ことが大切
    2. 50代からでも「選択肢を持つ」だけで違う
  8. まとめ|定年前にやっておくべきこと
    1. 私のケース(再雇用の現実)
    2. 定年前の方にお伝えしたい4つのこと
      1. 1. 給与・ボーナスの計算方法を細かく確認する
      2. 2. 「自分は何ができる人か」を意識する
      3. 3. 「嫌われるシニア」にならない覚悟を持つ
      4. 4. 「選択肢」を持っておく

再雇用になると給与はどのくらい下がるのか

まず、一般論からお話しします。

厚生労働省や民間の調査によると、再雇用後の給与は定年前の50〜70%程度になるケースが多いといわれています。つまり、3〜5割の減少が一般的というわけです。

ただし、これはあくまで平均値であり、実際には会社の規模や業種、役職、再雇用後の業務内容によって大きく変わります。

人事経験者としての肌感覚でいえば、給与減少は「役職手当が外れる影響が大きい」ケースがほとんどです。役職に応じて支給されていた手当がなくなるため、再雇用前の役職が高かった人ほど、減少幅は大きくなる傾向があります。

私自身も、再雇用前は役職に就いていたため、それなりの減少幅になることは予想できていました。

では、私のケースを具体的にお話しします。


私の給与公開|月給は半分以下になりました

ここからは、私自身の実体験です。個人を特定されないよう、具体的な金額は範囲でお伝えする点をご了承ください。

再雇用前:月給は50万円台以上

再雇用となる前、私は事務・管理・総務系の仕事に長年携わってきました。役職も付いていたため、月給は50万円台以上ありました。

茨城県南で暮らす定年直前の60代会社員としては、決して特別な高給というわけではありませんが、家計を支える収入としては十分なものでした。

再雇用後:月給は半分以下に

そして再雇用となった現在、月給は半分以下になりました。

つまり、50万円台以上あった給与が、20万円台まで下がったということです。

数字で見ると、一般論の「3割減」「4割減」より大きな減り幅です。役職が外れたこと、再雇用後の業務内容が変わったこと、これらが重なった結果といえます。

手取りも同じ割合で減少

「額面は減っても、税金や社会保険料が下がるから、手取りはそこまで減らないのでは?」と期待する方もいらっしゃるかもしれません。

私の場合は、手取りも額面とほぼ同じ割合で減少しました。社会保険料の負担割合が大きく変わるわけではないため、結局は額面の減少がそのまま生活に響いてきます。

ここまでは、人事経験者として予想できていた範囲でした。問題は、次の「ボーナス」です。


私の不注意で驚いた、ボーナスの減少幅

給与の減少は予想できていた一方で、私が確認を怠ったために驚かされた部分があります。それがボーナスです。

「給与減と同じくらいだろう」と勝手に思い込んでいた

私は、「ボーナスも給与と同じような割合で減るのだろう」と何となく考えていました。月給が半分以下になるなら、ボーナスも半分くらいか——そんな漠然とした想像をしていたのです。

ところが、ふたを開けてみると、ボーナスは月給よりもさらに大きく減りました

これは会社が悪いわけではない|私の確認不足

ここで強調しておきたいのは、これは会社が予想外に減額したわけではないということです。

ボーナスの計算ルールは、再雇用前にきちんと説明があったはずです。会社の方針は、すでに決まっていたのです。私が「給与の減少幅と同じくらいだろう」と勝手に思い込んで、自分で確認を怠っただけの話です。

つまり、これは私の不注意でした

同じ失敗をしないために|読者の方への提案

ただ、自分の失敗で終わらせるのではなく、読者の方には同じ失敗をしてほしくないと思います。

再雇用前には、ぜひ次のような確認をしておくことをおすすめします。

  • 月給の減少率だけでなく、ボーナスの計算方法も具体的に確認する
  • 年収ベースでのシミュレーションを、人事担当者と一緒に行う
  • 退職金や各種手当も含めた「生涯収入の見通し」を立てる

会社の人事担当者に丁寧に聞けば、ほとんどの場合は教えてもらえます。確認するか、しないかの差で、再雇用後の心構えは大きく変わります。

なお、再雇用で給与が大きく下がった場合、雇用保険から「高年齢雇用継続給付」を受け取れることがあります。月給の最大10〜15%が戻ってくる制度で、申請しないままもらいそびれるケースもあります。対象になるかの判定や支給額の目安については、高年齢雇用継続給付|もらえる人・もらえない人を整理しましたで詳しく書いています。


業務内容も大きく変わった|でも、それには理由がある

給与の話と並んで、再雇用後に大きく変わったのが仕事の内容です。

事務・管理職から、接客・販売系の業務へ

再雇用前、私は長年事務・管理・総務系の仕事に携わってきました。デスクワークが中心で、社内の調整や管理業務が主な役割でした。

ところが、再雇用後は接客・販売系の業務になりました。

仕事の進め方、求められるスキル、人間関係——すべてが変わりました。

「全く違う業務にされる」のは会社の方針ではない

ここで誤解してほしくないのは、「再雇用者には全く違う業務に就かせる」というのが会社の方針ではないということです。

私の会社の方針は、シンプルに「必要とされる部署に、適材を配置する」というものです。これは多くの企業で同様の考え方だと思います。

私の場合は、過去の接客経験が活きた

では、なぜ私が接客部署に配置されたのかというと、現役時代に接客業務の経験があったからです。

長年の事務・管理職としてのキャリアの中に、過去に接客に携わった時期がありました。当時は「いずれは管理職に戻るので、一時的な経験」くらいに思っていました。けれども、再雇用後の配置を決める際、この接客経験が評価されて、人材補強が必要な部署への配置に繋がったのです。

人事経験者として伝えたい大切なこと

ここで、人事経験者として一番お伝えしたいことがあります。それは——

「再雇用後の配置は、現役時代に何をしてきたかで決まる」

ということです。

私の会社では、再雇用者の配置は現役時代の経験が大きく影響します。接客経験がある人は接客部署へ、技術系の経験がある人は技術部署へ、というように、「何をやれる人か」で配置先が決まっていくのです。

つまり、現役時代に幅広い実務経験を積んでいる人ほど、再雇用後の配置先の選択肢が増えます。逆に、特定の業務しか経験していない人や、目立った実務経験を積んでこなかった人は、再雇用後の配置先に困る可能性があります。

これは、再雇用を迎える数年前から、自分が何をできる人なのかを意識しておく必要がある、ということでもあります。


もう一つ、人事経験者として知っていてよかったこと

人事業務に携わっていた経験で、もう一つ役に立ったことがあります。それは、再雇用後の配置先で「大変嫌われるケース」を知っていたことです。

「嫌われるシニア」になってしまう典型パターン

人事の現場では、こんな話をよく聞いてきました。

「部長や課長を経験した方が、再雇用後も現役時代の感覚のまま振る舞ってしまい、配置先の職員から疎まれる」

例えば——

  • 新しい上司に対して、自分のほうが年上・元上司だからと敬意を払わない
  • 周囲の若手社員に対して、現役時代の権威を引きずって接する
  • 「以前は私が決めていた」「昔のやり方は違った」と過去の話ばかりする

こうした態度は、配置先の人間関係を一気に悪化させます。本人に悪気がなくても、周りからは「扱いにくい再雇用者」と見られてしまうのです。

私が意識した3つのこと

私はこの典型的な失敗パターンを事前に知っていたので、配置先では意識して次の3つを実践しました。

1. とにかく腰を低くする

過去の役職や経験は一旦横に置いて、新しい職場では「新人」のつもりで臨む。これが基本です。

教わる立場として、素直に学ぶ姿勢を持つこと。これだけで、周囲の見る目は大きく変わります。

2. 新たな上司に敬意を表する

配置先の上司が自分より若くても、年下でも、その立場と役割に対して敬意を払う

これは社会人としての当然のマナーですが、再雇用者の中には忘れてしまう人がいます。「この上司は元自分の部下だった」という記憶があると、つい昔の感覚で接してしまうのです。

そこを意識して切り替えることが、新しい関係を築く第一歩です。

3. 周りとの人間関係を丁寧に築く

過去の話で自分を大きく見せようとせず、新しい同僚との関係を一から築く

雑談、挨拶、感謝の言葉——基本的なことを大切にする。シンプルですが、これが何よりも効きます。

結果として、仕事は順調に進んでいる

この3つを意識した結果、配置先での仕事は順調に進めることができています

新しい上司や同僚との関係も良好で、業務も滞りなく回っています。人間関係が良ければ、業務も滞りなく進むのです。

これから再雇用を迎える方には、ぜひこの点だけでも頭に入れておいてほしいと思います。給与の話と同じくらい、もしかするとそれ以上に、再雇用後の人生の質を左右するかもしれない要素です。


予想していたから慌てなかった|でも、もっと早く準備すればよかった

ここまで、私自身の再雇用の現実をお伝えしてきました。

給与の減少も、業務の変化も、人間関係への心構えも——私にとってはある程度予想の範囲内でした。人事業務の経験があったこと、先輩方の実例を見てきたことが、心構えとして役立ちました。

でも「もっと早く準備すればよかった」とも思う

ただ、今振り返ると、準備のタイミングが遅かったとも感じています。

私が真剣に再雇用について考え始めたのは、定年が近づいてきてからでした。50代の早い段階から準備していれば、もっと多くの選択肢を持てたのではないかと思います。

具体的には、次のような備えをもっと早くからやっておけばよかったと感じています。

1. 貯金・資産面の備え

給与が半分以下になることを前提とした生活設計を、もう少し早くからやっておけばよかった。

再雇用後の収入で生活が回るかどうか、資産でどこまで補えるか——具体的にシミュレーションしておけば、再雇用後の不安はもっと小さかったはずです。

実際に再雇用が始まってから着手することになりましたが、固定費・生活費・将来資金を順番に見直してみたところ、お金そのものよりも「お金との向き合い方」が大きく変わりました。具体的な進め方や気づきは再雇用で給与が下がった後|家計を見直して気づいた3つのことにまとめています。早めに取り組んでおけば、再雇用後の暮らしへの不安はもっと小さかったはずです。

2. 「何ができる人か」の意識的な強化

これは、人事経験者として特に強調したい点です。

現役時代の最後の数年間に、「自分は何ができる人なのか」を意識的に強化していれば、再雇用後の配置先の選択肢も広がっていたかもしれません。

今の業務以外にも、自分はこれができる」という引き出しを増やしておくこと。これが、再雇用後の人生を大きく左右します。


再雇用と転職、迷っているあなたへ

ここまで、私自身の再雇用の現実をお伝えしてきました。

もし、いま再雇用と転職で迷っている方がいらっしゃるなら、一つだけお伝えしたいことがあります。

「現実を知ったうえで選ぶ」ことが大切

再雇用には再雇用の良さがあります。慣れた環境で働き続けられる、人間関係も維持できる、新しいことを覚える負担が比較的少ない、などです。

一方で、私が経験したように、給与は大きく下がり、業務内容も変わる可能性があります。これは、再雇用を選ぶ前に知っておくべき現実です。

転職にも、転職の難しさがあります。60代の転職市場は決して甘くありません。新しい環境に慣れる労力もあります。

どちらが正解ということはありません。大切なのは、両方の現実を知ったうえで、自分なりに納得して選ぶことだと、私は思います。

50代からでも「選択肢を持つ」だけで違う

もし50代の方がこの記事を読んでくださっているなら、ぜひお伝えしたいことがあります。

「すぐに転職する」必要はありません。でも、「転職という選択肢を視野に入れておく」ことは、再雇用を迎える前の重要な準備になります。

具体的には、こんなアクションから始められます。

  • シニア向けの転職サイトに登録だけしてみる
  • どんな求人があるか、相場観を知る
  • 自分のキャリアが市場でどう評価されるか確認する

これらは、すぐに転職する必要がなくても、「自分には選択肢がある」と知るだけで、再雇用を迎えるときの心構えが変わります。

私自身、もっと早くこういう情報に触れていれば、再雇用後の人生設計はもっと多くの選択肢から選べていたのではないかと思います。

シニア向けの転職サイトの選び方については、別記事で詳しく比較しています。気になる方はそちらもご覧ください。(※後日リンク追加予定)


まとめ|定年前にやっておくべきこと

最後に、私自身の再雇用体験から、皆さまにお伝えしたいことをまとめます。

私のケース(再雇用の現実)

  • 月給:50万円台以上 → 半分以下
  • 手取り:額面と同じ割合で減少
  • ボーナス:月給よりさらに大きく減少(私の確認不足が原因)
  • 業務内容:事務・管理職 → 接客・販売系へ(過去の経験が評価された配置)
  • 人間関係:腰を低く、敬意を持って接することで順調
  • 心境:人事経験があり予想していたので、慌てずに受け止められた

定年前の方にお伝えしたい4つのこと

これから再雇用や定年を迎える方に、お伝えしたいことが4つあります。

1. 給与・ボーナスの計算方法を細かく確認する

「だいたいこのくらいだろう」と勝手に予想せず、具体的な金額や計算方法を会社に確認しましょう。私のように、ボーナスで思わぬショックを受けないために。

2. 「自分は何ができる人か」を意識する

再雇用後の配置は、現役時代の実務経験で決まります。幅広い経験を積んでおくこと、もしくは自分の強みを意識的に磨いておくことが、再雇用後の選択肢を広げます。

3. 「嫌われるシニア」にならない覚悟を持つ

過去の役職や権威は一旦横に置く。新しい職場では「新人として一から始める」つもりで臨む。これが、再雇用後の人生の質を大きく左右します。

4. 「選択肢」を持っておく

再雇用するか転職するかは、その時に決めればいい。でも、選択肢を知っておくだけで、心の余裕は大きく変わります

「再雇用しかない」と思いながら迎えるのと、「再雇用も転職もある中で、再雇用を選んだ」と思いながら迎えるのとでは、同じ再雇用でも気持ちの持ち方が全く違ってきます


このブログ「定年マエ転職ノート」では、これからもシニア世代の転職・再雇用・定年後の働き方について、私の実体験をベースに発信していきます。

少しでも、同世代の方の参考になれば幸いです。


※本記事は、私個人の経験に基づいた一例です。再雇用後の給与減少幅や配置方針は、企業や業種、役職、個別の制度によって大きく異なります。ご自身の状況については、勤務先の人事担当者等の専門家にご確認ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました